ここから先は私のペースで失礼いたします

さかもツインの健康で文化的なようでそうでもない生活をお送りいたします

ようこそ407号室へ。

御茶ノ水の小高い丘の上にはとても素敵な洋館がある。その名を山の上ホテルという。


山の上ホテル HILLTOP HOTEL 御茶ノ水(公式サイト)

 

竣工は1936年。昭和11年チャールズ・チャップリンの2度目の来日、モゾロフがバレンタインチョコレートの広告を初めて出したり、布団にシーツをかけるのが流行りだしたりと、西洋に追い付け追い越せと日本の文化が変わり活気づいていた頃である。

建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計したアールデコ様式の建物は、川端康成三島由紀夫池波正太郎山口瞳など錚々たる文豪たちが愛用した“おこもりホテル“。
もともとは西洋の生活様式やマナーを日本の女性に啓蒙する施設として利用されていましたが、太平洋戦争後のGHQ接収解除を受け、1954年にホテルとして再スタートを切りました。
 ↓下記より引用


山の上ホテル | Stroll Tips

 

戦後にホテルとして営業を開始した山の上ホテル。全35室のひっそりとしたホテルで今に至るまで当時の文明開化後の日本の華やかさを守り続けているような場所である。

 

御茶ノ水駅を出て神保町方面へ歩いていくと看板が出ている。
f:id:sakamotwin:20181123190231j:image

小高い丘を登っていくとその先にあるのが山の上ホテル

f:id:sakamotwin:20181123190345j:image

シンメトリーの外観に圧倒される。f:id:sakamotwin:20181123190448j:image

ちょうどクリスマスの飾り付けがされておりクラシカルなホテルの飾り付けの品の良さにときめく。

f:id:sakamotwin:20181123190555j:image

赤い絨毯に映えるツリーがお出迎え。f:id:sakamotwin:20181123212930j:image

フロントでわくわくしながらチェックイン。f:id:sakamotwin:20181123213011j:image

渡された鍵にあなたは何を思うか?

これは夢の世界へ行くための鍵だと思った。

f:id:sakamotwin:20181123213124j:image

開けよう。

f:id:sakamotwin:20181123213310j:image

………


ようこそ407号室へ。

お待ちしておりました。
f:id:sakamotwin:20181123213237j:image

今宵のお部屋は古くて新しくてきれいで夢みたいなお部屋です。

f:id:sakamotwin:20181123213438j:image

あなた方をもてなしくつろいで頂くことが我々の役目なのです。

f:id:sakamotwin:20181123214317j:image

どこに座ってもいいのですよ。

f:id:sakamotwin:20181123214402j:imagef:id:sakamotwin:20181123214426j:image

お茶もお茶菓子も用意して御座いますから。f:id:sakamotwin:20181123214513j:image

ペンと紙も御座います。あなたの好きな方への手紙を書いても良いのです。

 

アメニティはきちんと揃えてあります。大切なお客様にはできるだけ身軽で来ていただきたいので。
f:id:sakamotwin:20181123214717j:image

見たことのない高級トイレットペーパー、お好きでしょう?
f:id:sakamotwin:20181123214806j:image

洗面所はレトロだけど清潔感があります。タイルが洒落ているでしょう。
f:id:sakamotwin:20181123214906j:image

古いものを新しいままに使うことはできないけども美しく使うことが当ホテルの自慢なのです。
f:id:sakamotwin:20181123214951j:image

 

おや、お出掛けになられますか?それでは行ってらっしゃい。
f:id:sakamotwin:20181123215053j:image

山の上ホテルの素晴らしさをその目で確かめてきてほしいです。

 

フロント横のロビー、お好きですか?どうぞお掛けなさって。
f:id:sakamotwin:20181123215800j:image

小さな本棚が御座います。
f:id:sakamotwin:20181123215922j:image

クリスマスですから素敵な絵本を読んでみてはいかがですか?
f:id:sakamotwin:20181123220005j:image

小難しい辞書でも良いです。
f:id:sakamotwin:20181123220107j:image

好奇心で手を伸ばすことが大切なので中身は分からなくても良いのです。


f:id:sakamotwin:20181123234818j:image

お向かいのバーの前には当ホテルの歴代の品々が展示されております。
f:id:sakamotwin:20181123220225j:image

レトロなものがお好きなあなたには堪らないものでしょう。
f:id:sakamotwin:20181123220332j:image

 

アールデコの装飾というのはこの優雅な曲線が特徴なのです。
f:id:sakamotwin:20181123220518j:image
シンプルにするのもいいけども、見て喜ばしい気持ちにさせる建築が当ホテルらしさなのです。
f:id:sakamotwin:20181123220432j:image

大きな窓とシャンデリア、赤いカーテンを眺めながらここで新聞を読んだり待ち合わせをするのもいいじゃないですか。
f:id:sakamotwin:20181123220912j:image
私が時をお知らせしますから。
f:id:sakamotwin:20181123220950j:image

エレベーターもありますが、この螺旋階段もどうぞ使ってみてください。
f:id:sakamotwin:20181123221056j:image

赤い絨毯の階段を登るってお姫様みたいな気持ちでしょう?
f:id:sakamotwin:20181123221157j:image

楽しく登れますように。
f:id:sakamotwin:20181123221242j:image

天井の細工をご覧下さい。f:id:sakamotwin:20181123221340j:image

こんなステンドグラスがあれば4階まで昇るのも楽しいものです。
f:id:sakamotwin:20181123231449j:image

フロアの調度品も見ていって下さい。
f:id:sakamotwin:20181123232046j:image

座りたくなる椅子でしょう。f:id:sakamotwin:20181123232327j:image

箪笥もあります。なにも入っていない引き出しです。開ける楽しみをどうぞ。

 

探検はお済みですか?

でしたらお休みの準備を。
f:id:sakamotwin:20181123232614j:image

浴衣を御用意しております。f:id:sakamotwin:20181123232735j:image

左のボタンはクラシック音楽が流れるのでお好きなチャンネルを押してください。f:id:sakamotwin:20181123234150j:image

さぁ、夜は長いですから。どうぞゆっくりお休みくださいませ。良い夢を。

 

……

 

 

おはようございます。よく眠れましたか?パリッとしたシーツは心地が良いでしょう。非日常に包まれた朝というのはこんなにも清々しいのです。
f:id:sakamotwin:20181123234310j:image

お支度が済みましたら地下へ行きましょう。朝食の用意が御座います。

f:id:sakamotwin:20181123234837j:image
どの席になさいましょう。窓際の席にご案内いたしましょうか。

f:id:sakamotwin:20181123234519j:image

明るくて外の様子が伺えます。
f:id:sakamotwin:20181124040523j:image

たまには気取った食事もいいものですよ。
f:id:sakamotwin:20181123235024j:image

食卓に花があるだけでこんなにもときめくものです。一輪挿しはあると便利ですよ。

f:id:sakamotwin:20181123235109j:image

お待たせいたしました。

まずはサラダから召し上がれ。
f:id:sakamotwin:20181123235244j:image

パンはいくらでもあります。
f:id:sakamotwin:20181123235315j:image

バターでもジャムでもお好きなように。
f:id:sakamotwin:20181123235358j:image

メインデッシュは卵とソーセージ、温野菜。
f:id:sakamotwin:20181123235843j:image

見た目が美しいと心が喜びで満たされるのがわかりますでしょう?

f:id:sakamotwin:20181124000025j:image

食器の一つ一つも特別なものです。山の上ホテルというのはそういうところなのです。

 

さぁ、お腹が満たされたら外も探検してみて下さい。

f:id:sakamotwin:20181124000144j:image

青空によく映えるのがこの看板。f:id:sakamotwin:20181124000215j:image

バーへの入り口。
f:id:sakamotwin:20181124000314j:image

ホテルのバーというのは洒落ていて大人の集う場所です。特別な場所なのです。

 

実はチャペルもあるのです。
f:id:sakamotwin:20181124000422j:image

ここで結婚式を挙げる方もいらっしゃいます。
f:id:sakamotwin:20181124000501j:image

静かなこの場所で愛を誓うのも素晴らしいと思うのです。
f:id:sakamotwin:20181124000631j:image

 

………

そろそろお別れの時間です。お支度をなさってください。

f:id:sakamotwin:20181124001151j:image

そう、私は鍵にございます。夢のようなひとときをご案内させて頂きました。いつかまた会える日まで。ここで変わらずお待ち申し上げております。

 

………


f:id:sakamotwin:20181124001419j:image

山の上ホテル。そこはタイムトラベルをしたかのような不思議な洋館だった。

お土産にキャンディーを買った。


f:id:sakamotwin:20181124002128j:imagef:id:sakamotwin:20181124002141j:image


f:id:sakamotwin:20181124002155j:imagef:id:sakamotwin:20181124002205j:image

甘美な贅沢がここにある。

素敵な気分に浸れて夢の続きを見たいと写真を見返す。いつまでもこのホテルがこのままの姿であり続けてくれたらいいなと思う。クラシックホテルの良さとは昭和初期の世界を体感できるところだと思う。本や映画で見るだけではなく感じること。それは恋い慕うというような感情に近い。好きなものはたくさんあった方がいい。また行きたい場所もたくさんあった方がいい。ここはそんなホテルなのである。