ホテル富貴の近くにこれまた昭和の雰囲気を色濃く残したホテル千扇という場所がある。
営業日は土曜日の13時~18時。時間が合わずなかなか訪問できずにいたが今回の大阪アタックで時間がとれたので訪問した。
招き猫に招かれて赤い絨毯の階段に惚れ惚れして、フロントで部屋番号を案内してもらう。
チカチカ pic.twitter.com/5IRNefGC6v
— さかもツインねね (@sakamotwin) 2022年5月22日
105号室のランプが点滅。
赤い絨毯の敷かれた荘厳さすら感じる廊下を静かにひたひたと歩いていく。
部屋札のフォントがとにかくいい。
部屋に入って石畳というのだろうか、その細やかさに驚かされる。
丸太の飛び石風みたいな。遊び心があってけんけんぱをしたくなる。
緑の絨毯は珍しいなと思う。
このこっくりとした色合いがノスタルジックで、幼少期住んでいたもう取り壊されてない家を思い出す。
ソファースペースの奥にベッドルームがあり、こちらも緑を基調としていて落ち着く空間となっている。
ホテルというよりは連れ込み宿といった方がしっくりくるかも。
きらびやかな昭和ラブホ以前はこんな感じの宿が多かったのかもしれない。
懐かしのブラウン菅テレビ。
カーテンに隠れているのは素敵な窓。
懐かしい三洋の冷蔵庫。
母が「三洋は家事をする女性の手が荒れないよう洗濯機を開発した」と得意気に話し、三洋電気の洗濯機を使っていた。1970年の大阪万博で有名な人間洗濯機も三洋電気のものである。輝かしい時代を経て今ここにひっそりと時代の忘れ物のようにも思われる。
洗面所はコンパクトだがハンドソープなど必要なものはきちんとある。
そしてこの浴室。
このタイルの美しさは圧巻。
文化財として保護してほしいくらい浴室の美が完成されている。
小さな窓から外を覗くと
困り顔の猫ちゃんがいた。かわいい。
お手洗いは
和式です。
気がついたら18時になっており慌てて退室の準備をする。
時間の流れが分からなくなる穏やかな午後を過ごした。
他のお客さんがいなかったので共有部を撮影させてもらう。
厳かな空気が漂い深い赤に吸い込まれてしまいそうな不思議な階段。この重厚感は博物館とか歴史的建築物のレベル。誰かここの建築士を呼んでくれないか…表彰したいので…(良すぎて発狂している)
どうしてもここはまた行きたい。執着してしまうほどの魅力のあるホテル千扇。
2022年5月訪問