1年前の今日、さかもゆんゆん丸が我が家にやってきた。きゃりこ武蔵野さんでひときわかわいい猫ちゃんですっかり一目惚れしたのである。
猫が生活できる環境を整え、いよいよ猫との暮らしが始まると期待と不安がごちゃまぜになった大きな気持ちを抱え迎えに行った。
お店では「テラ」と呼ばれていたゆんゆん丸。
30分くらい前に食事をしたとのこと。トイレの回数や体重(5.8kg)を聞き、何かあったら連絡してくださいと頼りになるお言葉を頂いた。
保険の手続きで「名前何にします?」と聞かれたとき、「ゆんゆん丸」と答えると笑われていた。今考えるとテラという名前も素敵なのだが、なんだか『丸』が似合うどっしりとした和猫だなと思うのでぴったりの名前をつけられたと思う。
バックヤードから抱っこされてやってきたゆんゆん丸はなんだかでかくてキャリーにぎちぎちになってしまった。
出だしからコミカルな猫だ。
ものすごくわんわん鳴いていたので不安になりつつも「疲れたら休んでまた鳴きます」とのことで吉祥寺に「わぉ~ん、わぉ~ん」と爆音を轟かせるゆんゆん丸と共に電車に乗り込んだ。
移動中は鳴いては休みを繰り返しなんとか1時間の長旅を終え、家へ。
管理人さんに「おっ!ゆんゆん丸君だね?」とご挨拶された。ゆんゆん丸との暮らしが始まるんだなと実感が湧いてくる。
とはいえゆんゆん丸には突然揺れて大きな音が出る乗り物に乗せられ見知らぬ場所に連れてこられ知らない人と他の猫がいない生活に切り替わったから不安だったろう。
当時の動画を見ると今とは全然違う鳴きかたで、シャワーに連れていったときの「マジ勘弁」の鳴きかただった。そりゃそうだよね。
夜ご飯を出してもなかなか食べず、猫草とちゅーると水を少し飲んで、精神的疲労か1度リバースした。
猫のリバースを初めて見たのでこちらも多少はパニックになったがこういうのは慣れて大きく構えなければならない。数日はおろおろしっぱなしだった。
あとはほとんど隠れて過ごしていたゆんゆん丸。
来てから1週間くらいは食事にムラがあり、というかあまり口をつけなかったのでもう心配でたまらなかったが過ぎてみれば「あのときゆんちゃんすごい緊張してたよね」と笑える。
1ヶ月もすると「わしのめしはまだか?」とやってくるようになる、という記録も増えている。今ではご飯置き場の前に来てこちらをちらっと見て「いつもの出して」と言わんばかりの行動をしている。
ごはん食べる時間がなにより楽しみだもんね。
驚くほどおりこうさんな猫で本当にありがたい。
おかげさまで壁も床もどこもかしこもきれいなままである。
風邪なども引かずに元気でいてくれて、たくましい頭を撫でる度に「頭がおっきくて最高にかっこいい猫だね」と思う。他のおうちの猫をなでなでしたときに頭の大きさの違いに驚いた。猫用の帽子の1番大きいサイズが入らないくらいデカイ頭なのでそういうところも好きなのである。
猫と暮らして1年。大変なことはありますか?と聞かれたら大変なのかわからないくらい幸せだなと思わされることが多いと答える。寝ていると静かにやってきて隣で寝ている猫の姿になんど目尻を下げたことか。
でもまぁ、強いて言えば朝5時に起こされるときはちょっと大変かな…。
「2人(匹)目は?」と聞かれるときがある。
たまに2人目の話をする。いたらうれしいけど、どうしてもゆんゆん丸がいっちばんかわいいと差をつけてかわいがってしまうことになりそうなのが心配。特別な猫だからね、ゆんゆん丸は。
でも聞かれるとちょっとうれしい質問ではある。迎える迎えないは別として2人いたら楽しいだろうなとか考えるのは夢があっていい。
まさか独身子なし女性が「2人目は?」と聞かれる日がくるとは思わなかったので貴重な経験をしていると思う。
命を迎えればうれしいこともあるが、命の終わりについても考えねばならない。ちょっと調子悪そうなときとかは心配でたまらなくなる。ゆんゆん丸がいなくなったときのことを考えると苦しくって仕方ない。猫を看取った人の話を見聞きするとおいおい泣いてしまうときがある。
いつでも人間の都合のいいように生きていない命だからこそどんなに大切にしてても、ゆんゆん丸は幸せなのかと不安になることはある。それが猫を飼うということなんだろう。
いい付き合いができているかはわからない。点数で評価してくれない。言葉で教えてくれない。だからこそ目の前のゆんゆん丸と向き合って毎日を誠実に過ごしていくしかない。
とか色々考えても結局この寝顔を見たらふふふと笑顔になるので難しいこと考えずに推定3歳ということにするゆんゆん丸といい1年を過ごしていこうと思います。